“ 居場所 ” を売る本屋 【中国・広州】
本屋の定義を変えた、新しいタイプの書店。すごく素敵な本屋さんなのでぜひ紹介したい。
1200 bookshop
24時間オープンしている本屋さんで広州市内に6つ店舗があるらしいです。
まずはわたしが行ったことのある店舗の雰囲気などをご紹介していきたいと思います。
本店の体育東店は縦長い3階建ての設計。
とてもお洒落な雰囲気でした。初めてお店に入ったときは少しチキっちゃったけど、あったかい抹茶ラテ(30元くらい)を飲みながら詩集を読んだり、レポート書いたり、結果的に落ち着いた時間を過ごせて、一気にこの本屋さんが気に入ってしまった。
📍体育東店 广州市天河区体育东路27号
🔗https://mp.weixin.qq.com/s/4ymKxzmP1WykBYJnxDL04A
こちらは天河北店。1200bookshopはまだ3店舗しか行ったことがないのですが、個人的にこの店舗がいちばん好きで、2,3回訪れました。毎回かならず猫ちゃんがいます。膝に乗ってきてとても懐いてくれるのでかわいい。けどワシは猫アレルギーなので店を出るときには毎回目と皮膚が真っ赤になってしまいます🐈 まあ猫の写真ないんですけど、すみません。
友達と2人で一壺のお茶を頼んで、夜通し勉強してました。
朝7時あたり、地下鉄が動き始めたあたりから本屋を出て、友達といっしょに近くのご飯屋さんで朝ごはんを食べ、また大学まで帰りそのあと授業に直行。めちゃハードだけど、楽しかった。
📍天河北店 广州市天河北路460号沃凯街首层
🔗https://mp.weixin.qq.com/s/cXXEDWNyr2CEBzPEa1L7-Q
店内紹介はこれくらいにして、なぜ24時間オープンなのだろうか?
オーナーのリュウ・ニキさんは徒歩で台湾島を旅行したことがあり、ときたま寝床に困った時、現地の方々の親切さにかなり救われたそうです。そんなことを通じて、帰る場所のない若者たち、さ迷っているすべての旅人たちに居場所を与えたい、という思いで生まれたのがこの1200bookshopらしいのです。店内にはバックパッカーのために、小さなベッドや横になれるソファなどが置かれています。
まったく新しい本屋です。お部屋みたいにくつろぎながら読書できる本屋さんがあったっていいじゃないか。素晴らしい。
飲み物やケーキを頼むこともできます。わたしは毎回ラズベリーソーダ、もしくは友達と来た時は一壺のお茶を頼んでシェアしながら飲んでます。価格はどれも30元前後かな。夜中の2,3時あたり、勉強に疲れてお腹が空いてきた時、お店の奥から店長さんがケーキを焼く良いにおいがしてきたのを覚えてます。
店内にはいろいろな層の方がいます。学生たち、サラリーマン、ひとりぼっちのおじさん、仲の良い夫婦たち、わたしたちみたいな若い女の子まで。色々な人達が居場所を求めてひとつの場所に集まっているんだな。と考えるとなんだかあったかい気持ちになれます。
そして店内にはかわいい文具、雑貨、1200bookshopのオリジナルグッズがたくさん置かれています!
クリスマス前
これ。文芸ピンバッジ。絵画、アート作品、映画、俳優などなどをモチーフにしためっかわいいピンバッジ。
マルセル・デュシャンの『泉』、マリリンモンロー、映画『FIGHT CLUB』。
このバッジをさりげない場所に身につけていたら “わかる” やつらから(どんなやつら?)の注目間違いなしです。マニアック。
こちらのカードに書かれた言葉、「だらけて一日を過ごす感覚はまるで口づけのよう、ぬすむようにこっそりとしてこそ甘いのだ」。誰の言葉か知らんけど。良いよね。故意に繁体字で表記してるのが味がありますよね!1200のオリジナルグッズ、繁体字表記のものも多いです。素敵
団結バッジと囍バッジ。チャイナ感強くてかわいい🇨🇳
「不高興」Tシャツ。サイズは確かひとつしかなくて馬鹿でかい。女の子が着るとゆったりな感じでかわいいです。不高興っていうのは「嬉しくない、楽しくない」て意味です。楽しい時でもワイは着ます。
いやはや。可愛すぎかて。クリエイティブセンスが光りますね。
あともうひとつ心に残ったグッズがこちら
コンドームなんですけど、ポエムが表記されております。
その中でもグッときたのが、
『总是把 “受精” 错当成 “爱情”』というポエムです。
意味は、「いつも受精を愛情だと勘違いしてしまう」。
切なすぎん?日本で売ったらメンヘラ女子の間で流行りそうだよ 知らんけど。「受精」と「爱情」って字、似すぎやろ。わたしは簡体字と繁体字、どちらかといえば繁体字の方が伝統的で味があるかなあと思ってる人なんですが、このポエムは簡体字の受精と爱情の字が似てるからこそ、おお!と、なるんだなあとどうでもいいことを考えてしまいました。
てなわけでザッと紹介してきたのですがいかがでしょうか。近年、中国では24時間開店のお店が増えてきているらしいです。ほかの都市にも24時間オープンの書店あるらしいので、いつか行ってみたい。1200bookshopでは、イベントも定期的に開催していて、LGBTなどの社会問題についてみんなで討論会するような企画があるらしいです毎月。勉強になるし楽しそうなので参加してみたいね。この記事を書こうと思った時から3,4ヶ月が経とうとしていますが、最近はこの書店に行けてないです。この記事を書きながら、また行きたいなあとしみじみ思いました。大学4年間、わたしの良い居場所になりそうです。